ホットロッドの再配線2|布配線、各種接続方法、

各ライン接続方法及び詳細項目となります。再配線の為にAWG電流降下表を作成したり、電装品配置図を作ったり、まさに便所の落書き的な内容となっております。

1.布配線の選定方法

Speedwayやsumitなどで売られているワイヤーハーネスキット(painlessなど)を購入すれば、ヒューズボックス含め必要なワイヤー類が全て入っているのですが、今回は自作で全て作らなければいけない為、配線(AWG)別の許容電流など全て調べ必要な配線類の選定を行いました。

painless

1-1.布配線選定の基準

5Aしか流れない所に20SQの配線は不要ですし、60A流れる所に0.75SQの配線を選定しても意味が無いので、適材適所なチョイスを行えるよう、どこにどんな電装品が在るのか把握しなければなりません。電装品の大まかな位置を理解できれば、適切なヒューズパネルの設置場所なども理解する事が出来ます。

僕はこんな感じのポンチ図を書きました。

図1.1電装品配置図

1.ヘッドライト
2.ウィンカー
3.ホーン
4.電動ファン
5.ジェネレーター
6.スターター
7.メーター関係
8.バッテリー
9.フューエルポンプ
10.ウィンカー兼ブレーキ
11.尾燈
12.ナンバー灯

主要部品しか書き出していませんが、ざっとこんな感じです。ソレノイドやデスビなど細かな部品は抜かしました。

上記図を見て頂けると解るかと思いますが、僕の車両は殆どの電装系が運転席より前に付いている事が解ります。この事から、ヒューズパネルは運転席よりも前に付けるのが、無難かと思います。って当たり前か。

続きまして、ポンチ図を元に使っている電装系の電流(A)を書き出します。作業で使った表がどこかに行ってしまったので、リストに電流を追記しました。オリジナルの表見つかったら足しておきます。

1.ヘッドライト・・・・・9.2A  
2.ウィンカー・・・・・・3.3A
3.ホーン・・・・・・・・1.6A
4.電動ファン・・・・・・5.8A
5.ジェネレーター・・・・80A
6.スターター・・・・・・10A
7.メーター関係・・・・・1A
8.バッテリー・・・・・・
9.フューエルポンプ・・・1.6A
10.ウィンカー兼ブレーキ・4A
11.尾燈・・・・・・・・・1A
12.ナンバー灯・・・・・・1A

表1.1 電流リスト

こんな感じです。使用している物(消費電力W)によって電流は変わってきますので、この表は参考にしないで下さい。この電流値はあくまでも僕の車両限定です。電流はオームの法則で簡単に算出できます。と言われても良くわからないかと思いますので、ヘッドライトを例に説明致します。僕の車両で使用しているヘッドライトは55W(消費電力)となります。ヘッドライトは2個あります55W*2=110Wとなります。110W(消費電力)を電圧(V)で割れば電流(A)が出ます。110÷12.0=9.16Aとなります。よって僕の車両のヘッドライトは通電時に9.2Aの電流がケーブルの中を流れる事が解りました。正確には電圧は12.0vではありませんが、安全係数を稼ぐ為に敢てここでは12vに設定をしています。正確な電圧が知りたい人は個別で図って下さい。この電流リストは今後の作業でも使用する大切な物なので、しっかりつ作って下さい。※僕はPowerGEN社のオルタネータールックスのジェネレーターに交換してありますので、メーカーカタログ値の最大値(80A)で設定しています。

1-2.AWG規格とSQ規格の比較及び電圧降下率

国内で販売されている布配線は全て微妙だったので、輸入する事にしました。ってのは”ホットロッドの再配線1”で書いた内容ですが、今回は一番手頃なアメリカから輸入しました。因みに中国って案もあったのですが、言葉の壁と信頼性の問題により今回はパスしました。機会があれば中国からも輸入してみます。アメリカ製なので当然アメリカン規格となります。配線の太さ(正確には断面積)を示すSQ規格がアメリカに浸透している訳もかく、アメリカン規格のAWG規格での購入となりました。1-1で作成した電流リストを元に必要な布配線の選定を行います。早見表的な奴が中々見つからなかったので作成致しました。

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表1.2 許容電流降下表

縦が配線径で横は距離による許容電流(電圧)降下となります。
カタログデータを基に、電圧降下率は2%で計算しています。電圧降下 e = K1 × I ( Rcosθr + Xsinθr ) × Lで求めることが出来ます。すごく微妙な表現のしかたになってしまうのですが、電圧降下とは配線自体の抵抗によって入口と出口で出力が変わってくるって事です。発生する熱量は、P = I^2×Rで求める事が出来ます。公式とか難しい話は抜きにして、簡単に言えば入口から100入れたのに出口から80しか出て来ないって事です。無くなった20は配線自体が持つ抵抗により熱に変換され蒸発しちゃいました。って事です。20の発熱量は配線が蓄える事になりますので、細い配線に大電流を流すと発熱に耐えきれず、配線外皮がとけたりします。電気コンロや発泡スチロールカッターなどに使われるニクロム線は内部抵抗がとても大きい配線です。その配線に高電圧をかけ、電気エネルギーを熱エネルギーへと変換する機構です。公式を見つけて値をふっただけなので、電気理論を深く理解している訳ではありませんが、解る範囲でお答えしますので、良くわからない場合は個別に質問して下さい。

上記、表1.2電圧降下表と1-1で作成した表1.1電流リストを照らし合わせ、布配線の選定を行います。これでどこにどのAWG配線を使用すれば良いのか解ります。僕の車両であればAWG10~AWG18までの配線で充分(スターター除く)な事が解りました。20ftロールを各1本ずつ買えば足りますが、僕はオリジナルのカラーコードと合わせたかったので、様々な色の布配線を購入しました。実に無駄な拘りですね。
布配線

今日はここまでです。下記項目については随時追加していきます。

2015.11.24追加

2.各種スイッチ、カプラの配線方法

各種スイッチ及びカプラなどの接続方法について記載致します。

2-1.ヘッドライト用カプラー

一般的な3ピンカプラーを使用致しました。入力はハイ、ロー、アースの3種類のみです。使用している球によって位置が違うらしいので、取り付け前に確認を行ってから取り付けて下さい。僕が現在使用しているコイト製のシールド球はこんな感じでした。

H4ヘッドライトカプラ

2-2.HI,Lo切り替えフットスイッチ

国産車ではあまり目にする事は在りませんが、アメ車ではメジャーなフットスイッチタイプのHI,LO切り替えとなります。

Hi,Lo切り替えフットスイッチ

2-3.ウィンカーリレー(2ピン及び3ピン)

ウィンカーリレー

今回は一般的なウィンカーリレー使用致しました。パイロットランプが必要であれば3ピン、不要なら2ピンの物を用意して頂ければOKです。特に説明は不要かと思いますが、バッテリー(入力) → ウィンカー(出力)の順番となります。①はボディーアース仕様のリレーとなります。

2-4.トグルスイッチをウィンカースイッチとして使う

トグルスイッチ3P

汎用のウィンカースイッチも販売されていますが、ハンドルコラムに取り付けるタイプのみで50sドライレーサーを目指す僕の車両にはどれも似合わなかったので、トグルスイッチをウィンカースイッチの代わりに使用する事にしました。トグルスイッチは3P(スリーポジション ON-OFF-ON)の物を使用します。基本的にはスイッチの接点容量(V、A)だけ気を付ければ何を使用してもOKです。配線はウィンカーリレーから来た出力をトグルの入力で、左右(RL)に振り分けるだけです。ハーレーやトラなどで使用されるミニスイッチ(トグル)も同じ構造です。自作なら200円位で済みます。

3.各種リレー

大電流を接点容量の小さいスイッチでON-OFFするとスイッチが焼けてしまいます。大電流のON-OFFを接点容量の小さいスイッチで制御できる様に使用するのがリレーとなります。リレーの仕組みは非常に単純で、バネとコイル(電磁石)を使用しON-OFFを切り替えているだけです。文だけで説明されてもいまいちだと思いますので電動ファンの例を使用して説明致します。

電動ファンは冷却水(ラジエーターフルード)が設定の温度に到達すると動き出します。温度の検出にはサーモスイッチを使用しています。スイッチ先端に取り付けられている突起物が温められ、スイッチ内部のバイメタルが変形し接点を繋げる仕組みとなっております。電動ファンのモーターは120w位の物が多いかと思いますので、電流に変換すると約10A前後(12Vで計算)になるかと思います。10Aは結構大きな電流ですね。バイメタルが変形して接点を繋いだ時に10Aの電流が流れるわけです。スパークすれば短絡します。10A以上耐える事の出来る大きな接点容量を持ったサーモスイッチを取り付けられればいいのですが、その都度電流に合わせてスイッチを交換していたら、車両がどんどん大きくなってしまいますし、コストも上がってしまします。そこで小電流で大電流のON-OFFが出来るリレーを使用します。配線方法は下記図を参考にしてください。

3-1.電動ファンリレー

電動ファンリレー

一般的な5極リレー(50A迄)を使用しました。4極が入手可能な場合は4極の方が見た目が良いです。内部の構造が解りやすいよう、簡単な絵を書きましたので参考にどうぞ。コイルにACCを入力し、サーモスイッチが入るとアースが落ち、接点Aから接点Bへスイッチングが行われます。単純ですね。

3-2.ホーンリレー

 

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