ヴィンテージバイク、ホットロッドのユーザー車検|ハーレー

ホットロッドのユーザー車検時の写真がメインとなっていますが、バイクのユーザー車検についても記載していますので、ユーザー車検を検討中の方は参考にどうぞ。各種項目についても書いています。

1.車検概要

改めて説明を行う必要も無いかと思いますが、車検の概要についてです。
車検とは保安基準に適合しているかを検査する為に行います。新規登録車両であれば登録から3年後、継続車両は2年毎となります。自動車税や自賠責保険、重量税などの税金関係の確認も同時に行います。日本の車検制度は元々、バスやタクシー等の一部公共機関の安全性を確保するために、1930年より始まりました。制定当初は車両の数も少なく、全体的に緩い規則でした。本格的な車検制度(道路運送車両法)が定められたのは戦後の1951年となります。
 税金

検査項目としてはライトの明るさやウインカーの健全性(レンズの破損、点滅数等、サイズ)、メーター誤差、タイヤの摩耗、オイル漏れ(滲み)、制動力(ブレーキ)が基準値以上か、ナットやボルトが緩んでいないか、騒音は保安基準値以下かなどの項目が御座います。
ここで問題となってくるのが、車検制度の矛盾です。車検は流通している車両やその時の事故率、情勢などによって変更(更新)が行われます。事故での死亡率が高いから、シートベルトを追加しよう!!とか、バックモニターが付いている車両はルームミラー無でもOKにしよう!!などです。変更の毎に車両を車検に対応する形に変更するのはとても大変な事なので、車両が生産された時代に適用されていた車検制度にて受ける事が出来るようになっています。僕のホットロッドや以前乗っていたサイドバルブなどは今の車検制度では到底受かる訳御座いませんが、昔の車検制度を適用する事により合格を頂いていました。ホットロッドに至っては1927年製なので、車検という概念が生まれる前の話ですね。

2.ホットロッドとサイドバルブの検査項目

 

需要は無いかと思いますが、ホットロッドの検査項目も記載致します。

ホットロッド(1927)

サイドスリップ検査,ブレーキ検査,ヘッドライト(燈火器)検査,スピードメーター検査,下廻り検査

排ガスやシートベルト、ヘッドレストなど多岐に渡り検査対象外となっていますが、基本的には現行車と似た項目となります。

サイドバルブ(1932)

ブレーキ検査,ヘッドライト(燈火器)検査,スピードメーター検査,下廻り検査

ホットロッドと大差のない内容です。

3.各項目説明

各車検項目の説明を行います。年式により微妙に内容が違いますので、御乗りの車両に合わせた整備を行い車検を受けて下さい。正式名所だと長くなってしまいますので二輪と、車で統一致します。

3-1.サイドスリップ

年式に関わらず全ての車が受けなければダメです。一般的な規則なので細かい内容な省略致します。詳細は道路運送車両法にて確認して下さい。※二輪は対象外

3-2.ブレーキ検査

車の場合は検査時車両重量の50%以上の制動力であること、後輪の制動力の和は軸重の10%以上であることなど、細かな規定が御座いますが、ダイナモなどの特殊な機器が無いと検査は出来ませんので、予備車検場で計測してもらって下さい。

二輪
僕の認識では1951年以前に生産された二輪であればフロントブレーキ検査は対象外です。リアは検査対象となります。両方対象外だとノーブレーキな車両になってしまいますからね。フロントブレーキと紐付されるブレーキランプスイッチなども検査対象外となります。しつこいようですが、リアは対象です。1951年以降に生産された二輪はフロント、リア共にブレーキ(制動力)検査の対象となります。細かい基準は最寄りの車検所に電話して確認して下さい。丁寧に教えてくれます。

3-3.ヘッドライト(燈火器)検査

ヘッドライト
光軸及び光量の検査は年式に関わらず全ての車両が検査対象となります。計測には特殊な機器が必要となりますので、予備車検場での計測をお勧め致します。

ウィンカー
1969年以前に生産された二輪であればウィンカーは不要です。なくても車検に通ります。車はウィンカーもしくはアポロの取り付けが義務付けられています。1960年以前の車であればアポロでOKです。

3-4.スピードメーター検査

メーターシール

年式に関わらず検査対象となります。最近、車検場内での二輪事故が多い為、ダイナモを使用したメーター誤差検査は無くなったようですが、不確定な情報となりますので、最寄りの車検場に確認を頂いた方が良いかと思います。マイル表記の車両の場合はキロ表記の記載が必要となります。マジックでメーターガラスにキロ表記を追記すればOKです。

3-5.下廻り検査

オイル漏れや、ボルトの緩みなど一般的な検査となります。日常点検項目でも御座いますので、通常通りメンテナンスがされた車両であれば問題御座いません。

4.見落としがちなところ

小さなところですが、意外と見落としがちな所をピックアップしました。

4-1.反射板

車検用反射体

年式に関わらずリアには反射板が必要です。二輪は一つ。車両は2つ必要となります。サイズは10cm2以上です。

4-2.ミラー

車検用ミラー

1951年以前に生産された二輪であればミラーは1つでOKです。車は年式に関わらず2個必要です。基本的に1951年以前に生産された車両の車検はユルユルですが、車検官によっては細かいことを色々と突っ込んできますので、ミラーなど簡単に取り付けが出来るものは取り付けたから車検を受ける事をお勧め致します。

4-3.発煙筒

LED発煙筒

二輪は不要ですが、車は年式に関わらず必要となります。最近ではLEDタイプの物も御座います。従来の火薬式の物と違い使用期限が御座いませんので、LED式をお勧め致します。

4-4.ハンドルロック

1969年以降に生産された2輪はハンドルロックが必要となります。これ意外と見落とします。光量やブレーキと違いその場での調整が出来ない箇所なので、前もって確認をおこなってから車検を受けて下さい。

4-5.突起物

突起物(スヌープデビル)

フェンダーマスコットやアクサリー、鋭利に尖ったレバー類は車検時に問題となります。不要な物もしくは歩行者と接触した際に怪我をさせる恐れのある物は取り外しておきましょう。

4-6.マフラーの音量について

このブログをご覧になられている方の多くはマフラー音量測定の対象外の年式の車両に乗られている方が多いかと思いますが、念のためにマフラーの音量についても記載致します。正式名は近接排気騒音ですね。近接排気騒音は年代ごとに3つに分ける事が出来ます。

~1986
国産、輸入車関係なくマフラーの音量の規定は御座いません。著しく煩い車両は車検官の判断により落とされる場合も在ります。

1986~2001
国産、輸入車は99dBの規制が入りました。99dB以上の車両は車検を通す事が出来ません。

2001~2003
国産新規のみ94dB以下の規制に変更されました。輸入車と継続車検車は関係ありません。

2003~
全車種94dB以下の規制に変更されました。

1986年より近接排気騒音が規制されていますので、ハーレーならショベル以前の車両であれば音量は関係ない(煩すぎるのはだめ)ことになります。排気音量とは別に、排気の方向も後方30度以内にと定められており、スーパートラやぶった切りなどは音量の大小に関係なく、車検の条件を満たしません。かち上げも場合によってはヒートガード等の取り付けが必要となります。

5.その他

解らない事が在ったら最寄りの車検場に電話をしてみましょう。親切に教えてくれます。誰でも初めは素人ですが、何度も繰り返すうちにプロへと成長して行きます。古い車やバイクの車検には専門的な知識が必要なイメージが御座いますが、特に難しい点は御座いません。重要な事は自分の年式の車両だとどこまで許容されるのかの見極めです。今回は大ざっぱな記載しかしていませんが、より細かく説明を行うのであれば、テールライトサイズ、リフレクターの位置、1969年以前のウィンカーレンズの色はオレンジじゃなくてもOKなど書き切れないほどの項目となります。因みにテールライトやウィンカーは正式名称では御座いません。解りやすくする為にこのような記載方法を取らせて頂きました。

個人的なイメージですが、車検は1951年以前に生産された車両と1969年以降に生産された車両の2種類で別ける事が出来ると思います。1951年以前の車両の車検内容はユルユルです。1969年以降の物は現在に通じる物があります。御乗りの車両がどちらに分類されるのかを見極め、必要な項目のリストアップを行えば一発で受かります。僕は過去に何台もの車両の車検(輸入新規登録なども)を受けていますが、一発で受からなかった事は御座いません。事前準備を行って行けば絶対に受かります。車検官に何か聞かれた時は自信を持って答えればOKです。そこで間誤付くと色々と突っ込まれます。

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