ポイントのコンデンサー|ハーレー|ショベル|パン|自作

ゆっくり時間をかけて調子を崩して行くため放置されがちなコンデンサーですが、取り付けられている環境を少し変えてあげるだけで格段と寿命が延びます。本来であれば車検のタイミング毎に交換してあげればいいんですけどね。

昔からある対策で、サイドケース(ポイント横)内に在るコンデンサーを外に出すやつです。JAMESでも同じ内容の記事を書いたような気がするけど。最近アイアンにも同じことをしたので書いておきます。てか、ポイント式の車両は全部同じ処置をしています。

特に知っておく必要は無いんだけど、『あぁーこのためにコンデンサーって付いてるのね』ってわかると、車両の調子が崩れた時の参考になるかもしれないので、記載しておきます。

 

興味がない人は、最後まで飛ばしてください。

 

コンデンサーがダメになると出てくる代表的なヤツ
1.ポイント接点の面荒れ
2.失火
3.バックファイヤー・アフターファイヤー
4.アイドリング不調
などなど。

まぁ取り付けられてる位置から想像出来ると思いますが、コンデンサーがダメになると点火系に不調を起こしますので、関連箇所に影響が出ます。コンデンサー自体は修理不可の使い捨て品ですので、ダメになったら交換ってのがセオリーですが、都度ポイントカバーを開けて。。ってのが手間。特に出先だと最悪。なのでコンデンサー本体を外に出しちゃいましょー。って話。

じゃあ何のためにコンデンサーって付いてるの?って話ですが、『ポイントの損傷を防ぐため』って書いてあるサイトは良く目にするけど、それは結果であって本筋ではないよね。そもそも正しく機能をするコンデンサーが付いていたとしても、ポイントの面々間ではスパーク(控えめに)してます。疑問を解決するには、コンデンサーの役割をしっかりと理解する必要があるのさ。

 

まずは、コイルとポイントの関係から考えます。

ポイントはスイッチ。コイルは電球。って考えると解りやすいかな?スイッチをONにすれば(ポイントが閉じている)電球(コイルに通電)は光るよね?当然だけど、スイッチをOFFにすれば、電球は消えるでしょ。

 

次は電球(イグニッションコイル 以降IG)について考えよう。

プラグに火を飛ばすには、1.5~3万ボルト位必要って言われているんだけど、バッテリーは12V(正確には違うけど)だから1/1000程度の電圧しか持ち合わせてないわけ。こんなに低けりゃ当然プラグに火は飛ばせないよね?そこで、登場するのがIG。要するに12Vを1.5~3万ボルト位までブーストするのがIGの役割なわけ。IGの構造は至ってシンプル。1次コイルと2次コイルがあって、自己誘導させて高圧を発生させてるだけ。書くと簡単だけど、現象を理解するには誘導起電力だったり、磁束について、基礎知識がないとダメ。多方面でイグニッションコイルについて書かれていますが、肝心なところが間違えている物や、理解が追いついていない物が多いので、ちゃんと勉強をしたい方は中学校の理科、もしくは電検の理論科目のテキストがいいと思います。NHK教育も中々面白いけどネェ。

 

次はスイッチ(ポイント)について考えてみよう。

ポイントに関してはまんまスイッチで良いと思う。面と面が接触したらON、離れたらOFF。つまりIGに電流を流したり、流さなかったりするのがポイントの仕事ね。超簡単に要点だけ書くと、スイッチONからOFFに切り替えた瞬間、IGで1.5~3万の電圧が瞬間的に生成されるって事だけ理解してればOK。なので、面が荒れて凸凹しちゃったりすると、OFFにしたい所で切れなかったり、ONにしたくない所で通電したりしちゃうんだ。そうするとアイドリングが荒れたり、ミスファイヤーしたり。。。

 

ではコンデンサは何のためについてるの?

良くある説明では『ポイントのスパークを制御するため』って書いてあるけど、なんでスパークすんの?って話。これはIG内で12Vをブーストする際に起こる現象をしっかりと理解しなきゃ解らないんだ。IGの項目で原理を理解するには物理の基礎知識がないと難しいって書いたんだけど、これを理解出来ないとコンデンサーの役割は解らないんだ。。なので砕いて言うと。。『自己誘導により一次コイルに発生した誘導起電力をキャンセルするため』に付けるんだ。どうだろう?伝わるだろうか?多分無理だよね。でも大丈夫。物理の勉強をして来た人以外は、普通は解らないから。万物の現象は物理で説明ができると、昔の偉い人が言ってたけど、正にその通りだと思う。

 

この表現は正しくないし、ここだけ見ると、何言ってんのこいつは?ってなるから書きたくないんだけど、、、要するにイメージだからさ。イメージ。
高速で電球をON・OFFしたら、OFFにした瞬間に切れず、少し遅れて電球が切れるようになったぞ!!これはいかん!!スパッと切れるようコンデンサーを入れよう!!って感じです。

ちなみにコンデンサーの特性は解るよね?英語だとキャパシター。訳せばそのまま、蓄える物。何を?極板間にクーロン力で電荷を。。。ってやつなんだけど、解るよね・・・?これが解らないと、そもそもなんでコンデンサーをポイントと直列に設置するのって話になっちゃうんだけど・・・みんなわかるってことでいっか!

では本題。
コンデンサーは何を使えばいいの?

1.車種に適合した容量のコンデンサ
車種により多少前後しますが、おおむね0.2μF~0.45μF位です。 車種により前後する。←ここ重要ですよ。 オリジナルが手元に在れば、計測して近い値を買えばいいんだけど、ない時は、0.3μF程度の物を入れて、ポイントのスパークを見て判断。スパークが大きければ、容量を下げる。ちなみに単位はマイクロ・ファラドね。

2.ハーレーはどうなの?
ラインナップごとの違いが在るのか、無いのか解らないけど、0.25μF程度のコンデンサでOK。攻めたい人は0.3、0.4と試してベストを探してください。

3.コンデンサの種類は?
セラミックとかメタライズドとかあるけど、おすすめは無極性のメタライズド。セラミックの10倍ぐらいするけどね。セラミックは10円位。高級だけどみんな大丈夫でしょ?メタライズドを使うのは耐電圧性が高く、難燃性エポキシでモールディンされているから。車両程度の電圧じゃどうって事はないけど、耐電圧を余裕で超えた電圧をかけると、爆発(破裂かな)します。

4.どこで買えばいいの?
もうここでこれを買ってください。ケースはこれでいいよ。

秋月電子-メタライズドポリエステルコンデンサー

秋月電子-プラスチックケース

 

(耐電圧制(125V、250V、450Vとか)に関しては若干の疑問があって、本当は取り付け場所をオシロで見た方が良いんだけど・・何となく250~500V位の物を使っちゃってます。これはオーバースペックだと思うんだよね。取り付け位置をオシロで見るか、純正コンデンサーの耐電圧を調べる術があればいんだけど、残念ながら持ち合わせておりません。純正もまぁまぁ耐電圧が大きいの付けてると思うんだヨな。結果エイヤで大きいの使っちゃってます。大きすぎると、時定数とかも変わってくると思う。そこまで比較はしたことないので、だれか試して)

 

5.配線は?
イグニッションコイルのポイントから来てる側に共締めで締めこんでください。片方はバッテリーのマイナス端子かボディーアース。無極性コンデンサーだから、コンデンサーの極性は気にしなくていいよ。あとコンデンサーは摺切り容量いっぱいで電子の移動が止まるので、マイナス端子直付けで問題ありませんよ。

配線よくわかんねーよって方は、『ハ〇パーコンデンサー 配線』ググってください。同じです。

 

6.もともと付いてたコンデンサーを外す!

数百円で作れるので、予備を作って持ち歩いてください。半永久的と言われていますが、理想条件下での使用に対する補償です。

以上。

 

外付けコンデンサーに変えたら調子が良くなった!!って話は良くあるんですが、それは元々付いていたコンデンサーか配線が劣化していただけです。プラシーボもあるかもね。しっかり整備された車両は変えても効果は感じられないし、パワーも勿論あがらない。強いていうのであれば、コンデンサーの容量を増やせば、一次側への供給が増えるから、プラグの火花も強くなるけど微々たるものだし、そこを追求するなら、そもそもの12V入力を増やした方が、何十倍も効果的です。昇圧回路も簡単に作れるので、そのうち書きます。セミトラとかも自作してるけど、まぁ需要ないよね。

あとコンデンサーはドイツ語さ。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください