今回はハーレーやトライアンフ、チョッパー、インディアンなどのヴィンテージバイクに似合いそうなメットについて書きました。
ヘルメット概要
バイクを乗るうえで欠かす事の出来ないアイテムの一つがヘルメットです。改めて説明する必要も無いかと思いますが、道路交通法によりヘルメットの着用は義務化されています。1965年の道路交通法改定によりヘルメット着用が義務化致しました。1965年当初の改定ではヘルメットの着用は着用努力義務(罰則なし)でした。1972年より40キロを超える車両でのヘルメット着用が義務化し(罰則なし)、1975年から罰則ありの義務化へと改定されました。
見た目だけでヘルメットの安全性を判断する事は難しいため、各国により一定の安全基準規格を設定しいます。日本ではJIS、PSC、SG規格などがその安全基準規格となります。アメリカでは州毎に州法が制定されているため、アイダホなどの州では未だにヘルメットの着用が義務化されていませんが、ヘルメット自体の安全基準規格は設けれています。
アメリカのヴィンテージヘルメットで良く目にする規格がSNELL規格だと思います。メジャーなヴィンテージヘルメットではBELL MOTO3等御座いますが、BELL MOTO3では大きく分けて前期のSNELL1975と後期のSNELL1980の二種類があります。SNELL規格は5年毎に改定されていますので前期の1975と後期の1980でも帽体の形状やサイズなど微妙に変更されています。MOTO3の帽体サイズの違いについては詳しく説明されているサイトが多く御座いますので、そちらを参考にして頂ければと思います。因みにSNELLは1959年より使われ始めた規格となります。SNELLはJIS( Japanese Industrial Standards)やDOT(Department of Transportation)のように頭文字を取った物ではなく、人の名前となります。
ポリスヘルメット
名前の通りアメリカの警察が使用していた物となります。バイク用ではなく騎馬隊や機動隊が使用していた物の流れ品が殆どです。レンジャーや消防隊でも使用されていました。提供メーカーも各種御座います。Buco,SEER,TOPTEX,SHOEIなどが有名かと思います。各メーカーから出ていましたが、作りはおおむね一緒です。帽体+発泡スチロールに中吊バンドが取り付けられたシンプルな作りとなっています。モーターサイクル用のヘルメットと比べると軽く、ストラップもスナップボタン式の物が多いため、デイリーユースに向いています。Bucoなどの一部モデルではアジャスターが付いたモデルもありました。アジャスター付きは頭に合わせサイズ変更が可能なため人気が高いです。
1.Buco
1930年代より二輪用のアクセサリーの販売を開始致しました。設立当初はライダースやグローブなどのレザーアクセサリーをメインに取り扱っていましたが、1940年代後半より二輪用ヘルメットの販売を開始し1970年代に姿を消します。レーザーワークを得意といした会社だった為か、ヘルメットに使われているレザー(吊天井、ストラップなど)の仕上がりは他社のヘルメットと比較すると良いです。
1-1_トラベラー(TRAVELER)
生産は1950~70年代です。画像の物は後期モデルとなります。流通量が多いため入手性も良く、シルエット、帽体サイズ共に使い勝手がいいため、人気のあるモデルとなります。チョッパー、ボバー、マルチに御使用いただけます。後期の内装はアジャスタータイプなのでサイズ調整も簡単に行う事が出来ます。アジャスターはプラスティック製のため、経年劣化で壊れている物が多いので、気になる方は購入時に確認してみてください。イヤーパッド初期・後期共に穴なしです。内装天井のパッド(丸い座布団の様なやつ)は取り外されてしまっていることが多いです。
1-2_ガーディアン(GUARDIAN)
生産は1950~1960年代初頭です。ぱっと見はトラベラーに似ていますが、シェルサイズがトラベラーよりも少し小さく、流通量も少ないです。年代によってイヤーパッドの形状も違います。画像の物はど初期の穴なしレザーモデルなります。後期は穴ありです。初期の穴なしは流通量が極端に少ないため、取引価格は高めです。
1-3_プロテクター(PROTECTOR)
トラベラーに次いで人気のプロテクターとなります。トラベラーとほぼ同じ形状をしていますが、プロテクターは穴あきイヤーパッドとなります。国内では穴あきイヤーパッドモデルの方が人気が高いため、トラベラーよりも取引価格は高めです。同形状で色違いのブレイザーと呼ばれているモデルもあります。
Bucoまとめ
Bucoのハーフヘルメットは全て似た形状をしていますので(厳密には違いますが。。。)、購入時はイヤーパッドの形状で決めていいと思います。穴あきならプロテクター、穴無しならトラベラーって感じですね。穴あきのトラベラーもありますが、流通量は凄く少ないです。シェルサイズも時代が古くなればなるほど小さくなりますが、どれも今のヘルメットと比較すれば小さく出来ています。凄く小さい物がいいようでしたら、GENOやAGVなどのヨーロッパ系ヘルメットもお勧めです。
2.BELL
設立当初は車のパーツを販売していましたが、1954年より二輪用ヘルメットの販売を開始致しました。二輪用ヘルメット市場への参入が遅かったBELLは他社と差別化を図る為、1950年当時メジャーであった吊天井式では無く、ポリウレタン(発泡スチロール)式のインナーモデルを販売し一躍ヘルメットメーカーのスターダムへと上り詰めました。
2-1_ショウティー(SHORTY)
BELLがライバル社のBucoに対抗すべく販売を行ったハーフヘルメットとなります。1960年代から1970年代後半まで生産されていました。生産期間が長く年代によって微妙に形状が違います。ストタップもYタイプやイヤーパッドタイプがあります。中の発泡スチロールが厚いためか帽体はBucoと比べると少し大きい気がします。BELL派の方はマストなアイテムかと思います。
2-2_モトスター(MOTOSTAR)
moto3の原型となります。1975年に発売された元祖オフロード系ヘルメットです。映画MAD MAXでToecutterが着用していたヘルメットもMOTOSTARです。MOTO3と比較すると全体的に丸い形(ズングリ)をしています。玉数も少なく状態が良い物が少ないため高値で取引されています。
2-3_モトスリー(MOTO3)
説明不要のMOTO3となります。私もVMXやOFFを走るときに使用しています。冒頭で記載した通り前期と後期が存在します。前期と後期の大きな違いはデカールと帽体のサイズです。前期は”MOTOⅢ”ですが後期は”MOTO3″に変更されています。帽体も後期の方が少し大きくなっております。一般的には帽体が小さい前期の方が取引値段が高めとなります。中々市場には出回りませんが、子供や女性向けに販売されていたminiMOTOも存在します。帽体に比例して入口も小さいため、加工無にはかぶれません。
3.ARTHUR FULMER
Buco,BELL同様に70年代に活躍したヘルメットメーカーとなります。メーカーロゴがヨーロピアンな為、ヨーロッパの会社と勘違いされている方がいらっしゃいますが、
アメリカ発の会社となります。作りが非常によく、高級感のある出来に仕上がっているのもARTHUR FULMERの特徴かと思います。
3-1_ファルコン(AF50 FALCON)
Arthur Fulmer・アーサーフルマーと読みます。現代のヘルメットには無いヴィンテージ特有の形をしています。BELLSTAR同様に日本では族ヘルと呼ばれています。作りはとても良いのですが帽体が大きくヘルメット自体も重めとなります。汎用性の無いシールドを使用していますので、シールドが欠品している物や経年劣化によりシールドピポッド軸が壊れてしまっている物が多いです。ARTHUR社はAF40やAF30といったジェットタイプのヘルメットも生産していました。